Customer Stories

毎月83時間の工数削減に。Autifyでメンバーのリテラシーも向上したタレントパレットの品質保証

新機軸品質管理グループ グループマネージャ 森田氏、目黒氏
Company
株式会社プラスアルファ・コンサルティング
https://www.pa-consul.co.jp/
Industry
IT・ソフトウェア
Their Services
タレントパレット
Autify’s Service
Autify NoCode Web
Size
200~499名
Purpase
インシデント減少
テスト効率化
工数削減
Publish Date
July 3, 2024

「タレントパレット」は社員情報や、人材の育成(教育)、スキル、評価、採用などを一括管理するタレントマネジメントシステム。データに基づいた科学的な人材活用や人事業務のDX化に役立てられ、従業員のパフォーマンスを最大化するタレントマネジメントシステムとして3000を超える法人に導入されている。(契約社数1380社、23年9月末時点)

企業にとって重要なデータを扱うシステムだからこそ、高いQA(Quality Assurance=品質保証)が求められる領域でもある。

同サービスの開発〜QAのプロセスにおいては、Autifyを導入することで本来の品質保証や工数削減だけでなく、品質管理チームのリテラシーも向上したという。

タレントパレットを提供する株式会社プラスアルファ・コンサルティングの新機軸品質管理グループ、グループマネージャ森田(もりた)さんと、同グループエンジニアの目黒(めぐろ)さんに話を聞いた。

インシデントをゼロに近づけるため、品質管理チームを発足

ー はじめに、お二人の自己紹介をお願いします。

森田さん:タレントパレットの品質管理グループでマネージャーをしている森田です。またプラスアルファ・コンサルティングのサービス全体の品質管理サポートもしています。

目黒さん:タレントパレット品質管理グループに所属している目黒です。Autifyの運用、推進を担当しています。

ー ソフトウェアテストを実施しているチームの体制について教えてください。

森田さん:弊社プラスアルファ・コンサルティングの中で、タレントパレットをはじめとするサービスの品質管理を7名ほどのメンバーで担当しています。弊社はアジャイル開発をしており、テストはタスク単位で行っています。

ー 品質管理グループとしてのミッションを、詳しく教えてください。

森田さん:もともとは品質管理を担うチームがありませんでした。以前はスピード重視で開発をしてきましたが、品質についても重視するポイントを作ろうと、2年ほど前に正式に立ち上げたのがこのチームです。

現在は、このテスト体制の構築や、発生しているインシデントをゼロに近づけるところをミッションとして取り組んでいます。またタレントパレットをメインに取り組んできたテストのノウハウを、他のプロダクトにも広げることも目標の1つです。

ー 品質管理グループ立ち上げのきっかけは何かあったのでしょうか?

森田さん:特に何か大きな問題があったということではないのですが、人事・採用・労務管理をサポートするサービスの特性が背景にあります。毎日の業務で当たり前に使えなければならないサービスなので、その性質上、高い品質が求められます。

会社の規模が大きくなるにつれて、クライアントの規模も大きくなってきたので、品質管理の必要性が高まってチームを立ち上げたのが始まりでした。

積み重なったデグレ解消が課題だった

ー そんな中、Autifyを導入していただきました。ソフトウェアテストのプロセスにおいてどんな課題があったのでしょうか。

森田さん:実装機能以外への影響テストの負担が大きいという課題がありました。まずアジャイル開発と言っても、弊社はやや特殊なスタイルでして。実装する一つのユーザーストーリーに対して一名の開発者がアサインされ、その開発者がフロントエンドとバックエンド両方に機能を実装します。加えて、その開発担当者にどの範囲までテストを実施するか、委ねられていました。そのため、QAチームのレビュワーや他のメンバーなどの第三者から見て、影響範囲や開発担当者により実施されたテスト範囲の把握が難しく、実装機能外への影響を確認することに課題を感じていました。

弊社のプロダクト開発においては、バグのすり抜けを防ぐために、開発者が実施したテストの結果確認と、そのテストでカバーできていない範囲のテストをQAチームが手動で実施していたのですが、やはり工数が課題となりました。そこでテストの自動化を視野に入れ、お客様に使ってもらいたい機能を素早く実装するためのリソースを確保し続ける為に、まずQAチームの作業効率化、自動化が必要だと考えました。

「誰でも使える」がAutify導入の大きな決め手

ー テスト自動化にも、さまざまな手段がある中で、Autifyのどんなところをご評価いただいて導入を決めたのでしょうか。

森田さん:まずはQAチーム内で「みんなが使える」という点を優先しました。登録する予定だったテストシナリオ数が多く、それをカバーするためには多くの人員で利用する必要がありました。

UIの操作が記録されて、それをそのままテストシナリオに使える状態になっているものを探していました。当時はその要件を満たすサービスがAutifyだけだったので決め手になりました。今もどんどん進化していますし、AIで修正してくれる機能など、新機能がリリースされて活用の幅が広がっていると思います。

ー チーム全員が操作できるところが重要なポイントだったということですが、品質管理グループに所属されている方々は、エンジニアリングやテスターなどご経験された方が多いですか?

森田さん:当時、ハードウェア/ソフトウェア等の種類を問わず様々な経歴のテスターがいましたが、エンジニア経験の方は少ない状況でした。

Autifyで得られた成果は大幅な工数削減と、開発知識の向上、再発防止への対策

ー Autifyを導入して活用していただく中で、どんな成果を実感されていますか。

森田さん:現在シナリオ数が全体で1000件近くと、かなり増えてきました。バージョンアップの度にAutifyを回し、修正が必要な内容を発見できており、テストの体制が整ったという点で、Autifyの成果を実感しています。今後はカバレッジを拡大して、さらにユーザーのシナリオに近い、深い操作のシナリオを拡充していきたいと考えています。

目黒さん:私からは、Autifyによる定量的な効果と定性的な成果をそれぞれお伝えします。

まず定量的な成果から。 例えば画面操作のリグレッションテストを、手動で実行する場合は1画面あたり3〜5分くらいの時間がかかり、そのテストが100以上あります。それをAutifyで自動化したので、単純計算すると、毎月50〜83時間ほどの時間(工数)を削減できていることになります。

またテストの結果を確認する際も、AutifyのUI上でスクリーンショットが自動で記録されていて、どんなエラーが起きているのか容易に確認できます。アップデートごとの確認作業も含めると、かなり工数が削減できていると感じています。

定性的な成果の1つは、システム上の問題を検知した際には、再発防止の一環としてのシナリオが簡単に作れることで実際に再発防止につなげることができています。

もう1つは、開発者ではないQAメンバーの、開発に対する知識が増えていると感じられる点です。AutifyのJSステップやCSSセレクターなどの機能を使ってシナリオを作成するケースがあります。

私は現開発者ですが、その知識をテスターの方にちょっと教えてあげたら、Autify公式のスニペットやドキュメントを参考にして「やってみたんですけど、これでいけそうですか?」といった会話が生まれています。ドキュメントはカバー範囲を広く用意していただいていて、わかりやすいです。チームメンバーの知識が増えて少し複雑なテストシナリオも「これお願いします」とだけ伝えたら、いつの間にかできるようになっていました。メンバーが能動的に開発の知識を勉強できている状況はAutifyのおかげだと感じます。

QAのノウハウを管理・共有して、他のプロダクトにも展開

ー 社内でAutifyを使うためのナレッジの管理や共有については、何か取り組まれていますか?

目黒さん:現状はタレントパレットに絞った形でナレッジ管理しています。ケースごとに、スプレッドシートやNotionにまとめています。QAチーム内で不明点があれば私宛てに尋ねてもらって、そのときのノウハウをドキュメントに追記しています。

森田さん:タレントパレットでAutifyを使っていたメンバーが、今は「ヨリソル」(教育機関向けのマネジメントサービス)のQAを担当しているので、同じようにノウハウが活用できています。会社の性質として、サービスごとの垣根はあまりないので、何か困ったら他のチームにも聞きに行けるところが、横展開のしやすさに繋がっていると思います。

ファーストペンギンのマインドを重要視する同社のオフィスには、ペンギンのアイテムがたくさんあります


一Autifyを活用して品質管理のチームをどう動かしていきたいですか。展望をお聞かせください。

森田さん:タレントパレットに関して、QAチームのミッションは「インシデントを減らす」ことです。そこのポイントに絞って、どんどん推進していきたいです。最近は1ピクセル単位での細かいUIの調整が入ったりしているので、ビジュアルリグレッションの機能を活用して取り組みを始めています。

「成果の可視化」でより社内へ推進できる。Autifyへの期待

一 今後のAutifyに期待していることがあれば教えてください。

目黒さん:期待していること…たくさんあります(笑)。1つ目は、シナリオを一括で「ラベル付け」や「削除」など、何か一括操作できる機能が追加されたら嬉しいです。最近シナリオの数が増えてきたので、一括操作があると管理しやすくなると思います。

2つ目は、ビジュアルリグレッションについてです。すごくいい機能なので最近利用しているんですが、タレントパレットはUIの変更も多いので、さらに強化されると嬉しいです。

3つ目はレポートについてです。シナリオ数やテストの数値を見たいときに使わせてもらっています。このレポートが、テストプランごとのシナリオの成功率や、カバレッジの割合などをラベルで絞り込めたり、グラフで一覧できたりしたらすごくいいなと思います。

成功率や失敗率、カバレッジの推移がグラフでパッと見られると、そのダッシュボードをそのまま社内で共有できますし、成果が可視化されるので、よりAutifyの利用を推進しやすくなるんじゃないかなと思います。

一 貴重なご意見をありがとうございます。お話いただいた機能改善に関するリクエストも含め、最近シナリオが増えているとのことなので何かご支援できるところがないか、また別途ディスカッションさせてください。

これからQAを始めたい人へ。手厚いサポートとコミュニティが魅力

一 最後に、これからQAやテスト自動化に取り組みたいと考えている方に、ひと言お願いします。

森田さん:Autifyは基本的にどのようなチームでもご活用いただけますが、QAの専門部隊がない会社や非開発者の方でもご利用いただけると思います。

またスピード重視の開発のため、開発チームとQAチームが分離されている企業も多いと思います。Autifyでは、QAチームがユーザー目線に立ってシナリオを構築できるメリットがあると思います。

Autifyの場合、サポートがかなり手厚いことと、コミュニティづくりをかなり熱心にされている印象があります。QAは社内でも孤立しがちな業務なんですけれど、ユーザーに近い立場からエンジニアと連携していく強い存在でなければなりません。だからこそ、他の人はどうしてるんだろう?という疑問をQAの担当者同士で共有できたり、Autifyの知識が学べたりするコミュニティは貴重だと思います。現場で少し心細いと感じている人にもAutifyはおすすめですね。

目黒さん:森田から申しあげた通り、これからQAを始めたい人たちにとってはおすすめなツールだと思ってます。 開発者でなくても誰でも使えますし、開発者の方であればJSステップなど便利な機能を駆使して、より細かいところまで活用できると思います。

最初は何から始めていいかわからない方が多いと思いますが「ここだけは落とせない」というところから、ミニマムで始めてみるのも良いかもしれません。その成功体験を「Autifyでこんなふうに品質管理できます」と社内で共有していくと、より横断的に推進するきっかけになると思います。Autifyは本当にとっつきやすいので、これからQAに取り組むなら、まずAutifyを始めてみるといいのかなと思います。